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自動車を運転する方々にはお馴染みの「初心者マーク」がありますが、他にもさまざまな識別マークが存在しています。
この記事では、自動車で使用される各種マークの意義とそれらがどのように役立つのかを詳しく説明し、マークを貼るべき適切な位置についてもご案内します。
自動車識別マークとは?
自動車の運転者が安全に道路を使用するために、法律で使用が定められている「運転者識別マーク」についてご紹介します。
以下の4種類のマークが運転者識別マークとして認められています:
- 初心者運転者マーク
- 高齢者運転者マーク
- 聴覚障害者マーク
- 身体障害者マーク
これらのほかに、よく目にするものとして「国際シンボルマーク」などもあります。
自動車の識別マーク:種類と意味
初心運転者標識
このマークは1972年に導入されました。
通称:若葉マーク、初心者マーク
【内容】
普通自動車または準中型自動車の免許を新たに取得してから1年以内のドライバーは、このマークを車に表示しなければなりません。
【目的】
初心者ドライバーであることを周囲の人々に知らせ、注意を促すためです。
【罰則】
適切な位置にマークを表示することが義務付けられており、表示していない場合は道路交通法違反となります。
具体的な表示位置については後ほど説明します。違反時には4,000円の罰金と違反点数1点が科されます。
聴覚障害者標識
このマークは2008年に導入されました。
通称:蝶々マーク、聴覚障害者マーク
【内容】聴覚障害があるものの、法律に基づき普通自動車の運転が許可されている人は、このマークを車に表示する義務があります。
【目的】ドライバーが聴覚障害者であることを他の道路利用者に伝え、注意を促すためです。
【罰則】このマークを適切な位置に表示する義務があり、違反した場合は道路交通法に基づき罰金4,000円および違反点数1点が課されます。
高齢運転者標識
この識別マークは1997年に導入され、初めはオレンジと黄色の「もみじマーク」として親しまれていました。
しかし、このデザインが徐々に「枯れ葉」や「落ち葉」と批判され、やがて「枯れ葉マーク」や「落ち葉マーク」という蔑称が広がりました。
この批判を受けて、2011年にはより現代的で明るい4色のデザインに変更されました。
別称:四つ葉マーク、高齢者マーク
【意義】70歳以上のドライバーで、加齢による身体機能の低下が運転に影響を及ぼす可能性がある場合、このマークを車に表示することが推奨されています。
表示は努力義務であり、マークの使用はドライバーの自由裁量に任されているため、表示しないことに対する直接的な罰則は存在しません。
【目的】このマークは、高齢のドライバーが運転していることを他の道路利用者に知らせることで、周囲がより配慮深い運転を心がけるよう促します。
例えるならば、落ち葉が散る秋の森を歩く際に、足元に注意を払うようなものです。
この識別マークによって、高齢者が直面するかもしれない運転上の課題に対する理解と支援が得られやすくなります。
【罰則】
識別マークを車の見やすい位置に表示することは強く推奨されていますが、これを怠っても法的な罰則は課されません。
この柔軟なアプローチは、高齢ドライバーが自分の状況を最もよく理解し、適切な判断ができるという考えに基づいています。
このように、高齢ドライバー識別マークは安全と配慮を促進するための重要なツールですが、その使用は各個人の裁量に委ねられています。
身体障害者標識
2002年に導入された身体障害者用識別マークは、通称「四葉マーク」や「クローバーマーク」とも呼ばれています。
【意義】身体的な制約を持つドライバーが特定の運転免許条件を満たしていることを示すために、このマークの表示が推奨されています。
【表示の目的】 このマークを車に表示する主な理由は、ドライバーが身体障害者であることを周囲の人々に伝え、安全への配慮を促すことです。
【表示義務と罰則】 ドライバーには、このマークを車の見やすい位置に貼ることが推奨されています。
具体的な表示位置のガイドラインについては後述しますが、マークを貼らないことに対する直接的な罰則は存在しません。
【補足】 国際シンボルマークについては、これは道路交通法に基づくマークではありませんので、その詳細は別途説明します。
車の識別マークはどこに貼るのが適切か?
道路交通法に基づく車の識別マークの正しい貼り位置について説明します。
識別マークは、他のドライバーが容易に確認できるよう、運転する車の前後の地上から0.4メートル以上、1.2メートル以下の範囲に貼る必要があります。
特にボンネットやバックドアは、ほとんどの車種で規定の貼り位置に該当します。
バックドアに関しては、外側または内側どちらにも貼ることができ、内側に貼る場合は通常リアガラスになります。
リアガラスへの貼付は中央部を避け、視界障害にならないよう左右の下部に推奨されます。
セダンタイプでバックドアがない車の場合、一般的にリアガラスやトランクリッドに貼ります。
貼る正確な位置は車種によって異なるため、実際に自車を用いて位置を測ることが重要です。
しかし、いくつかの場所は識別マークの貼付が法律により禁止されています。
フロントガラスと前席の側面ガラス
これらのガラス部分は、運転者の視界を遮る恐れがあるため、識別マークの貼付が禁じられています。
ただし、車検シールや法定点検のステッカー、ドライブレコーダー、ETCアンテナなどは貼ることが許可されています。
照明機器
ヘッドライトやブレーキランプなどの照明機器へのマーク貼付は、光の視認性を阻害し、ブレーキの認識やウインカーの確認を困難にするため禁止されています。
識別マーク付き車への適切な対応
道路上で識別マークが掲示された車を目にした際、他の運転者は特別な注意と配慮が必要です。
識別マークを付けた車に対して無理な幅寄せや割り込みをすると、道路交通法を違反することになり、以下の罰則が課されます:
- 大型車及び中型車:反則金7,000円、違反点数1点
- 普通車および二輪車:反則金6,000円、違反点数1点
- 小型特殊車:反則金5,000円、違反点数1点 (※ただし、危険を避けるための行為はこの限りではありません。)
識別マークを掲示している車に遭遇した場合、通常以上に慎重で思いやりのある運転をして、安全を確保しましょう。
目的外使用されることが多い「国際シンボルマーク」
道路交通法には規定されていないものの、多くの車に見られる「国際シンボルマーク」について説明します。
別名として「車椅子マーク」があります。
このマークは、車椅子ユーザーだけでなく、すべての障害者が対象です。
自動車にこのマークを貼る義務はなく、本来は障害者が利用可能な建物や施設を示すための国際的なシンボルです。
このマークは、車椅子アクセス可能なトイレ、障害者用駐車スペース、公共交通機関内の障害者専用エリア、バリアフリー施設などに使用されることが一般的です。
ただし、実際には福祉施設の車両や介護を必要とする人々を運ぶ私用車にも頻繁に使用されています。
これらの車両では、車の後部に目立つ位置にマークを貼ることが多く、障害者専用駐車スペースを利用する際に「このスペースを使用する資格がある人が駐車しています」とアピールする目的や、障害者が乗車していることを周囲に知らせるために利用されます。
さまざまな種類のマークが車に使用されていることがわかりますね。これらのマークが貼られた車を見かけた際は、特に注意深く運転し、車間距離を広く取るなどして、安全運転を心がけましょう。